こんにちは shumanです。
「やっちゃえ!NISSAN」というキャッチフレーズとともに、永遠のロックスター矢沢永吉さんが、ハンドルから手を離して「どうだい。こんなことができるんだぜ」とドヤ顔をしているTVのCMを見たことがある人は多いと思います。
日産自動車は、国内自動車メーカーとして「自動運転技術」を初めて搭載した新型「セレナ」を8月下旬に発売します。
現在の情報を紹介します。
出典:Response
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◆自動運転って何ができるの?「プロパイロット」ってなに?
言葉通りの印象は、「運転者が行き先をインプットすると、車が目的地まで文字通り「自動」で連れて行ってくれるもの」。
「それはいいなあ、こりゃあ画期的な技術だなあ」と早合点したんですが、どうもそういうことではないみたいですね。
今回の「自動運転」の意味は、「運転支援技術」であり、「ドライバーの不注意や操作ミスによる事故の防止に大きく貢献できるもの」です。
つまり、
■高速道路の単一車線で、時速30~100キロの範囲内で前方を走行する車との車間距
離を保つ。
---つまり、フロントウインドウの上部に設置した単眼カメラと画像処理ソフトで、道路上の白線と前方の車を認識し、ハンドル、アクセル、ブレーキを制御するものです。
この技術を、日産では「プロパイロット」と呼びます。
この前を走る車の自動追従技術、ドイツのメルセデスやアウディでも実用化されているが、画期的なのは、普及価格帯の車への搭載が世界初になることです。
具体的には300万円以下で購入できるということです。
■どんな風に使うの?
「プロパイロット」技術では、ドライバーはハンドルに手を添えていることが求められます。
だから、ハンドルから手を放した状態で事故を起こしたらその責任はドライバー側にあり、車両の問題ではないということになります。
実際に手をハンドルから離すと
①5秒で警告が出る(音とディスプレイ)
②さらに10秒経過すると自動運転モードは解除される。
また、ドライバーの居眠りや脇見など不注意運転は感知できません。
■セレナってどんな車?ライバルは?
2016年8月に新型車が発売されるモデル末期ですが、2015年度に6万台を売った人気車で商品力の高さを誇るミニバンです。
既に「自動ブレーキ」という言葉で安全技術をアピールしており、トヨタ自動車の「トヨタセーフティセンスC」やホンダの「HONDA SENSING」といった他社の安全技術に伍して、アピールしていました。
また、いち早く「ハイブリット」化したことがポイント。
2012年8月に「S-HYBRID」で簡易型のハイブリットエンジンで、商品力を高め、特別仕様車と合わせ魅力を維持してきたのです。
5ナンバーの箱型ミニバンを好むユーザーは、子育て世代が中心です。
新型であることのメリットよりも、長い期間、「毎日の生活の移動手段」として快適に使えることにより魅力を感じます。
つまりコストパフォーマンス重視です。
そんな購買層にセレナは見事にマッチしているのでしょう。
この夏のボーナス期は、現行のセレナが値引き額も拡大し、買い得感の高いものになりそうですね。
直接のライバルは、トヨタのノア、ボクシー、ホンダのステップワゴン。
セレナでは大きいという若いお母さんや家族には、ホンダのフリードも検討の土俵に乗ってきそうです。
ホンダフリードについて、詳しくはこちら
■課題はなに?
テストコースでの報道向け試乗会(神奈川県横須賀市)での体験記では次のような記載があります(中日新聞記事より引用)。
「セレナに乗ると、速度メーターの横に7インチの自動運転用の画面が目に入る。
1、車載カメラが前方車両と両側の白線を認識したことを画面で確認し、手元のスイッチを押すと自動運転モードが開始
ハンドルは軽く手を添えるだけで、アクセルやブレーキは一切踏まない。
車間距離を一定に保ちながらカーブを違和感なく曲がる。
自動運転中の最高速度は100キロ。今回は50キロまで体験。
急な割り込みがあっても自動で速度を落として車間距離を調整できるという。
2、前方車が渋滞を想定したのろのろ運転を始めたとき、自動運転の恩恵が最も感じられた。
速度が10キロ以下でも追従走行し、渋滞時にブレーキとアクセルを交互に踏むわずらわしさから解放される。
課題は、
1、積雪や逆光で車線を認識できない場合や、滑りやすい大雨の時に自動運転が作動しないこと。
2、道路上の落下物をカメラでは認識できないこと。
上記の場合、運転者は常にハンドルに手を置いて注意を払う必要があります。
つまり、「自動運転」といえど過信は禁物であり、すべての条件をカバーできるわけではなく万能ではないということです。
日産自動車は、2018年に高速道路の複数車線で車線変更を可能にし、2020年までに交差点を含む一般道での実用化を目指しているということです。
今後も自動運転は少しずつ身近になっていくでしょう。しかし、機能の限界の指摘もあり、使う側の心構えも必要だと思われます。
それではまた