逃げるは恥だが役に立つ その2 仕事の半分は仕方がないでできている 新垣結衣

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ドラマ

こんにちは Shumanです。

「逃げるは恥だが役に立つ」第6話が、11月15日火曜日に放送されました.
物語もいよいよ後半、佳境に突入でしょうか?

周りには秘密の、「雇用関係に限定した契約結婚」がこのあと、どんな形に収束していって、最終回を迎えるのか、本当に楽しみでドキドキします。

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物語の結末は、原作のマンガを読んだ方にはわかっているんでしょうが、私はあえて最終回まで読みません(実は1巻だけは読みましたが)。
だって、第6話の終わりを観た方は皆さん納得ですよね。

そう、「えー!」「なにー!」という三島駅での電車内のシーンのことです。
このラストシーンの衝撃で、いつもは楽しみにしてる「恋ダンス」がまったく集中して落ち着いて見られませんでした。
やはり、ネタバレなしに集中したほうがきっと楽しいはずですよね。

この第6話のラストシーンの感想は皆さん色々あって当たり前。
ですから、無粋なことはやめましょう。

今日は、この脚本で気がついたことを書きます。

「逃げるは恥だが役に立つ」その1
前回の記事はこちら

■「仕事の半分は<仕方がない>でできている」(沼田さんの格言)

 

津崎平匡の会社の同僚の沼田さん(古田新太)が、行きつけのバーのカウンターでみくりの叔母の独身キャリアウーマン・ユリちゃん(石田ゆり子)の話を聞いて、返した言葉です。
「そうだよなあ」と思わず納得してしまいました。
仕事の真理を突いていて深いです。

職場でセクハラ、パワハラしてると責められ、「一生懸命やっているのに、どうしてわかってもらえないの」と職場の不満を漏らすユリちゃん。
でも続けて「仕事だから仕方ないんだけどね」とあきらめの自嘲発言です。

その発言を受けての沼田さんのこの言葉は、なんだがその場の思い付きのジョークのようです。
でも「仕事の半分は<仕方がない>でできている」は実感です。

その後「残りの半分は?」のユリちゃんの質問に、沼田さんは「<帰りたい>でできている」と答えます。
「それじゃやる気ゼロじゃない・・」というユリちゃんのオチで終わらせています。

また、仕事にかけている時間と労力に対して割が合わないという不満。
沼田さんは「ほどほどの仕事でも、食っていければそれでいいじゃない」と返します。
続けて「割とか言い出したら何もできないよ」。
これも真理ですね。

この<仕方がない>が、番組の最後のみくりの旅行帰りの電車内の、妄想場面に出てきます。
バーの場面は、この妄想へつなぐための伏線だったんですね。

社員旅行という名前の「新婚旅行」の終わり近く、「手を繋ぎましょう」というみくりの妄想場面で、(平匡さんは「仕方なく」手を出してくれるんだろうけど、求めているのは「仕方ない」ではなく・・・)で見事にバーの場面の沼田さんの言葉と対をなしています。

私は、仕方がないという形だけの愛情は欲しくない。
それは、仕事なら<仕方がない>でもいいけれど、本当の愛情が欲しいみくりには家事代行という仕事の枠内での「契約結婚」に耐えられなくなっていることが伺えます。

みくりが何度も自ら「愛情表現の扉」を叩いていることへの平匡の反応が、あくまで「雇用関係」という殻を破らないことへの寂しさ、絶望感を表しているように取れます。

そして、最後のシーンで二人の気持ちが重なって「あと一駅、永遠に着かなければいいのに・・・・」は、仕事の残り半分<帰りたい>の反対<帰りたくない>になっていることに気がつきました。

見逃しがちなこの伏線、あとで「みんなの感想」や番組HPのファンの人たちの投稿で気づくことが多いです。丁寧な、よく考えられたうまい脚本です。

野木亜希子さんの、この名脚本が番組を支えています。

同じ野木さん脚本の「空飛ぶ広報室」でも同じことが言えます。
前半の話が伏線になっていて、その物語の回の後半のシーンや、あるいは後半の回でそれを回収する形になっていました。

そういえば、第5話のラストでのハグからの「頭ポンポン」も、「空飛ぶ広報室」にも出てきましたね。こちらは頭なでなでかな?
パイロット罷免になった空井大輔(綾野剛)が航空基地内でブルーインパルスに乗れなくなった自分の運命を呪ってひざまずいて号泣する場面で、稲葉リカ(新垣結衣)からの頭なでなで。

そして、最終回「あの日の松島」では、逆に東北震災での影の航空自衛隊員たちの奮闘を知らなかったと泣き出した稲葉リカの頭を、なでなでする空井大輔。
どちらも心に残る名シーンでした。3年前の東北の震災後の作品です。
今でも名作だったと思っています。

空飛ぶ広報室」の番組HPはこちら

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■人間は見返りが欲しくなる生き物なんだよ

「自分の相手にかけた愛情と同等のものが返ってこないと、人は不安になる。」
バーのマスターがつぶやくセリフです。

思いが強いほど、次第に耐えられなくなる。
俺ばっかり、私ばっかりが積もり積もって、関係は終わりを迎える

ここも、新婚旅行の最後のみくりの悲しい独白につながる伏線です。

元カレカヲルくんがした昔のみくりへの批判に、平匡が一言の反論もなく中座してしまいます。
そして、せっかくのダブルベッドや強精ドリンク3本(あのどぎついパッケージはオリジナルですよね?)にドキドキして、勝負下着まで用意したのに、すげなくかわされて空振りしてしまいます。

とうとうみくりは平匡の自分に対する気持ちを忖度し、本当の気持ちを抑え込んでしまいます。

「もうやめよう、疲れた・・・」という諦めです。

みくり流にいえば「平匡さんの心のテリトリーには入らせてもらえない」=自分は愛されてはいないーという最終判断をしたということです。
小賢しさを炸裂させて玉砕したということでしょうか?

「結婚しましょう」だの、「恋人になりましょう」だの、「ハグをしましょう」だの、「ハグの前借り」だのと、いつもいつもわたしから・・・
鏡に書いた川柳?らしき「あたらしき したぎむなしい 秋のあさ」は笑えますが、みくりの本心が出ていてわかりやすい心理描写です。

「逃げるは恥だが役に立つ」の公式HPはこちら

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今回も笑える小ネタが満載です。本当に面白くて、毎回楽しみです。

ユリちゃんが予備校でやる林修先生の「今でしょ」や金八先生(今の若い人にはキョトンとするくらい元ネタが古いパロディかも?)、JR東海の「そうだ、京都に行こう」のパロディも面白いです。

エバンゲリオン関連のカヲルくん(みくりの高校時代の元カレ)ネタは、シンジくんの時と同様、(元ネタのエヴァンゲリオンを知らないので)さっぱりわかりませんでしたが・・・・・。

さて、待ちきれない第7話の放送は、今週11月22日(火)です。

それではまた

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