「メメンとモリ」という題名は、ラテン語の「メメントモリ」がその由来。
「人に訪れる死を忘れることなかれ」
この本では、「メメン」姉と「モリ」弟の会話形式でわかりやすく、この言葉の意味を教えてくれます。
テーマは
「生きる」とは、多様性、個性尊重が必要だ。
モリが問いかけ、メメンがそれに答え、諭す形で進んでいきます。
作者ヨシタケ シンスケさんのかわいらしい絵に引き込まれます。
全体は、次の3つの話で構成されています。
1 メメンとモリとちいさなおさら
2 メメンとモリのきたないゆき
3 メメンとモリのつまんないえいがだるま
それでは個々に説明します。
1 メメンとモリとちいさなおさら
割れたお皿と人生を重ね合わせ、毎日を「一生懸命生きるもよし」、「そのうちなるようになるから、のんびり行こう」
実は正解な生き方などない。
読んでいるうちに、「有限の人生の時間を無駄にするのは罪なことだ」と肩に入りすぎていた力が ふっと抜ける瞬間があります。
「わたしたちだっていつかはおとなになって、おとしよりになって、そしていつかは天国に行く」
「ずーっとずーっと、だれよりも長生きするかもしれないし、」
「あした、ながれぼしが落ちてきてペシャンコになっちゃうかもしれない」
「みらいのことは、だれにもわからない。」
「あしたでおわっちゃうかも」ってまいにちをいっしょうけんめいすごしてもいいし、
「そのうちなんとかなるさ」ってのんびりやったっていい。
それでいいんじゃないかしら。
ここに、作者独自の「メメントモリ」についての考察がうかがえます。
2 メメンとモリのきたないゆきだるま
夜降り出した雪で作った雪だるま。
でも雪が足りなくて、きたない雪だるまになってしまいました。
雪だるまは、「みんなががっかりしている。わかるよ。こんなはずじゃなかった。」と複雑な気持ちになります。
だれもわるくない。
だけど、だれも、しあわせじゃない。
ボクは一体、何だったんだろうな。
だれかのために。
ボクのために。
何をしてあげようかな・・・
何をしてもらおうかな・・・
自分の存在価値、意味を問いかける場面です。
3 メメンとモリのつまんないえいが
つまらない映画を見て時間を無駄にしたと不安がるモリに、
メメンは「いきものはべつにたのしむために生きているんじゃないからね」とアドバイス。
人生は楽しくなければいけないわけでもなく、幸せでなければいけないわけではないと話します。
「この世界は、自分が思うほどいいものでも、わるいものでもない。
わたしとあなたも、自分が思ってるほど同じじゃないし、ちがってもいない。」
そんな世界はつらいし、きびしいけど、たのしいし、うつくしい。
そんなことも、わたしのいのちも、いつかおわる。
いつかだれかが
わたしのかわりに いいこともわるいこともしてくれる。
だからいまは、だれかのかわりに
わたしがいいこともわるいこともしてあげる。
つまり、それが「生きる」ということ・・・
※2023年5月31日新刊 (株)KADOKAWA
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ヨシタケ シンスケとは
・生まれは、1973年神奈川県茅ケ崎市
・50歳
・イラストレーターとして児童書の挿絵、挿画、広告美術など幅広く手掛ける人気絵本作家
・著書多数 デビューは遅く、現在10年目。
・大学(筑波大学芸術専門学群)
・デビューは、2013年の「りんごかもしれない」(ブロンズ新社)
ヨシタケ シンスケのファンになったら、小さなお子さんがいるお母さん、ぜひ
GUを覗いてみてください。
コラボレーションの商品がありますよ。
https://www.gu-global.com/jp/ja/feature/contents/collaboration/yoshitake-shinsuke/kids
まとめ
見方を少し変えるだけで、人生はもっと豊かで楽しいものになる。
自分に自信を無くしたときに、生き方の選択肢は一つじゃない。
頑張らなくても大丈夫・・・と寄り添ってくれる本です。
落ち込んでいる友人や家族に贈る本としてもお薦めです。
それではまた
ヨシタケ シンスケさんの著書で、お薦めを下に紹介します。
生きるって何かを考えるきっかけになるかもしれませんよ。
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