こんにちは shumanです。
お気に入りの漫画を紹介します。
前川つかさ著「なにもないシアワセ 大東京ビンボー生活マニュアル」です。
「なにもないシアワセ 大東京ビンボー生活マニュアル」とは?
題名で想像できる通り、主人公コースケは大学を卒業後も定職に就かず、毎日平和荘という古びたアパートで寝てばかりという、一言でいうとニート、フリーターです。
金がなくても、仕事がなくても、人生幸せに生きていけるよーと教えてくれるスローライフの勧めでしょうか?
もちろん現実には、ずっとそんな生活が無理なのはわかっているけどちょっと救われる気分になれる、癒された読後感が残ることも確かです。
そんなコースケと彼を取り巻く人々とのなんでもない日常の交流や、「ビンボー生活をいかに愉しむか」というコツが、独自の視点で描かれています。
のり弁当とシャケ弁当
話の中で、「のり弁当」と「シャケ弁当」の比較の話が出てきます。
「シャケ弁当」は、ネーミングが的を得ており、メインはあくまでシャケであり、ちくわのてんぷらやきんぴらではありません。そうゆう意味では内容=ネーミングなのに対し、「のり弁当」は、内容>ネーミングだというのです。
どういうことかというと、「ゲストの白身魚のフライ(漫画の時代ではコロッケ)、ちくわの天ぷら
などのほうが食欲的魅力において主役ののりを凌駕している。
これは誇大広告の多い現代において心洗われるような過小広告ともゆうべき”羊頭狗肉”
ならぬ”狗頭羊肉”的弁当なのである・・・・・・。」
コースケは、こんな理屈でこよなくのり弁当を愛するわけで、同様の話が各話に随所に出てきて笑ってしまいます。
東京などで若いころ一人暮らしをした人なら、「そうそう」「あるある」と覚えのあるエピソードが沢山あり、なにもない、なにもしないことが1番の贅沢なのかもしれないと思わせてくれる懐かしいスローライフな漫画です。
結末に向けて盛り上がっていくような物語はなく、季節の移り変わりや身辺の出来事が1話完結で淡々と描かれています。
登場人物のキャラと背景が分かれば、どこから読んでも楽しめます。
現代版の「徒然草」ですね。
1987年雑誌「モーニング」掲載開始なので、自分は20代後半だったはずですが、実際に紙で読んだのは40代になってからでした。
「男はつらいよ」の車寅次郎に憧れるところと一脈通じるところがあると思います。
世俗や競争社会に背を向けたコースケが、どうしてこういう生活を選択したのかが描かれていないんですが、それは大したことではないのでしょう。
この本を読みたい人は?
今回の本は、単行本5巻のベスト版に2011年の「その後のコースケ」が6編収められた「お値打ち版」です。
sonyのreader864円、kindle860円で、いずれも電子書籍で手に入ります。
単行本が5冊出ているので、より深く読みたい方はそちらも手に取ってみるといいと思います。
オススメです。こちらも電子書籍で出ています。
「ひろ子さん」とコースケの関係
しかし、彼女役の「ひろ子さん」なくして、この漫画は成り立ちません。ただの悲惨なプータローの生活になってしまうリスクがあり、なぜこんな将来設計がまるで見えない男にこんな彼女がいるんだろうー?と疑問と憧憬を抱かせてくれます。
「ぼっけもん」もおススメです
こんな郷愁を誘う大人の童話の話にはつい惹かれてしまいます。
同じように、別の作者ですが「ぼっけもん」(岩重孝 著)という漫画も必見です。
[ぼっけもん]くわしくは、こちら
それではまた
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
コメント